近年、グローバルにおけるサステナビリティの議論は、「コミットメント」から「実行」へと大きくシフトしています。 今年のクライメートウィークにおいて、WBCSD(持続可能な開発のための世界経済人会議)の会長は、企業のサステナビリティは「From ambition to implementation」という新たなフェーズに入ったと指摘しました。これは、ビジョンや約束を、具体的なガバナンスおよび事業運営の行動へと転換する段階に入ったことを意味します。
国際的な動向を見ても、ESG はもはや単なるレポーティングやコンプライアンス対応ではなく、企業戦略や経営判断に深く組み込まれるべき要素となっています。実際に、Harvard Business Review や McKinsey も、ESG の統合が企業の長期的な競争力や資本調達力に直接的な影響を与えることを指摘しています。
Schneider Electric、Siemens、Unilever などのグローバル先進企業は、いずれも企業ミッションを起点に、明確なサステナビリティ戦略を策定しています。 たとえば Schneider Electric は、「Empower all to make the most of energy and resources」というミッションのもと、ネットゼロ、公平性、信頼といった長期的なコミットメントを掲げ、「Schneider Sustainability Impact」を通じて年次の進捗を定量的に管理しています。また、Unilever の「Compass Strategy」は、ブランド成長と社会的価値創出を明確に結び付け、戦略から実行までを一貫して推進する枠組みを示しています。
こうした国際的な潮流と先進事例を踏まえ、デルタは独自の ESG 戦略方法論を開発しました。本方法論は、グローバルリーディング企業の戦略構造と、デルタ自身の実践知を融合したものです。 経営層の戦略的意図を、具体的かつ実行可能なプロジェクトステップへと分解し、重要課題の特定、実行ロードマップの構築、そして評価・管理の仕組みづくりを支援します。以下では、本方法論の全体構造と特長について詳しくご紹介します。
まず、外部環境から内部へと視点を移すアプローチにより、国際的なサステナビリティ動向や業界のベストプラクティスを調査し、重要なサステナビリティ課題を特定します。 あわせて、経営層へのインタビューを通じて企業の戦略的意図を内側から把握し、内外双方の視点を統合することで、ESG 戦略において注力すべき重要テーマを明確化します。

特定された重要テーマについては、部門横断・組織横断のワークショップを実施し、ベンチマーク事例の共有やグループディスカッションを通じて、各テーマにおけるサステナビリティ成熟度を評価します。 その過程で、現状とあるべき姿とのギャップや課題を整理し、対応すべきアクションプロジェクトを共創します。 このボトムアップ型のアプローチにより、実務上の視点を反映しつつ、ESG 戦略の全体フレームを構築します。
前二段階で抽出された重要テーマの課題と優先事項を踏まえ、戦略合意ワークショップを通じて、企業のサステナビリティ価値提案および長期コミットメントを明確化します。 対外的には企業ビジョンと目標を発信し、対内的には意識と理解を高めます。
最終的に、価値提案とアクションプロジェクトを統合し、3~5 年間の ESG 実行ロードマップおよびマネジメントダッシュボードを構築します。 各プロジェクトを KPI や目標と紐づけ、定期的なモニタリングとレビューを行うことで、ESG 戦略の進捗を透明性高く可視化し、継続的な改善を図ります。